避雷針があるから大丈夫、とは限らない。マンションの落雷対策

近くに雷が落ち、驚いた経験のある方は少なくないのではないでしょうか。落ちた場所によっては大きな被害をもたらすため、普段から備えておかなければなりません。

マンションの落雷対策1:避雷針の原理と設置基準

【住民の声】

最近天気が悪く、雷が近くに落ちはしないかと不安を抱えています。マンションには避雷針があるので、雷は落ちてこないと思っていて間違いないでしょうか。

【お悩み解決のポイント】

建築基準法では、高さ20m以上の建物に避雷針の設置が義務付けられています。6~7階程度の高さなので、多くのマンションには避雷針が設置されていると考えられます。 ただ、避雷針は「雷が落ちてくるのを防ぐ装置」ではなく、むしろ雷を誘導して落とし、建物の中の導線を伝わらせて、地中に放電するためのものなのです。もちろん、直接建物に落ちた場合(直撃雷)とは異なり、建物が破壊されるようなことはありません。

マンションの落雷対策2:雷サージから家電を守る方法

【住民の声】

知人のマンションに雷が落ち、パソコンやエアコンなどの家電が壊れてしまったと聞きました。間違いなく避雷針はあるはずなのですが、なぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】

避雷針は、あくまでも建物自体を守るための装置です。そのため、建物へのダメージは防げるのですが、電線や通信回線などを通じて電流の一部が建物内に侵入してくることがあります。その結果、コンセントにつながっている家電などに異常な電流が流れ、ショートしてしまうのです。これを「雷サージ」といいます。 被害を防ぐためには、雷サージ吸収素子を内蔵した電源タップなどを使用する方法があります。対策グッズがない場合は守りたい家電の電源を抜いてしまうといいでしょう。

マンションの落雷対策3:落雷の被害は火災保険の対象

【住民の声】

マンションに雷が落ちて、持っている家電の多くが壊れてしまいました。買い換えるためにかなりの出費になりそうです。これは何らかの保険の対象にならないのでしょうか。

【お悩み解決のポイント】

火災保険の対象になる可能性があります。一般的な火災保険は、「火災、落雷、破裂・爆発」が補償の対象になっています。補償範囲を確認のうえ、保険会社へ連絡して手続きを行いましょう。

まとめ:雷の特徴を知れば、家と財産を守れる

近年の日本は、異常気象に見舞われることがしばしばあり、落雷にも注意が必要になっています。マンションの場合、直撃雷は避雷針で防げますが、雷サージは各自で対策しなければなりません。雷の特徴をよく理解して、大切な家と財産を守りましょう。