築70年のマンションも売却は可能|売却するコツについても解説

「築70年のマンションって売却できるのかな……」

「築70年のマンションを高く売るコツが知りたい」

などとお考えではありませんか?

結論、築70年のマンションも売却は可能です。

本記事では、築70年のマンションを売却するコツやマンションの建て替えが少ない理由について解説します。

最後まで読むと、売却するコツがわかり、高く売れます。

池田写真


この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ 代表取締役社長
池田 秀人

2017年6月株式会社デュアルタップ入社、2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、完全子会社へ(取締役就任)、2019年7月専務取締役に就任、2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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築70年のマンションも売却は可能

築70年のマンションも売却は可能

結論としては、築70年が経過しているマンションも売却できます。

しかし、何も問題がない築浅マンションと同様に売却できるかというとそうではありません。

この記事では、築70年のマンションが簡単に売却できない理由を詳しく解説するので参考にしてください。

築70年のマンションが簡単に売却できない理由

築70年のマンションが簡単に売却できない理由

築70年のマンションが簡単に売却できない理由は以下のとおりです。

  1. 旧耐震基準で建てられているから
  2. 管理組合の実態がない場合がある
  3. 修繕積立金が高い
  4. 建て替えが近いと思われる
  5. 立地が悪い

順番に解説します。

【理由①】旧耐震基準で建てられているから

築70年のマンションが売れにくい理由の1つに「耐震基準の観点」があります。

耐震基準とは、一定レベルの強い地震が来ても建物が倒れない耐性を持っているかどうかの基準で、建築基準法に定められています。

建築基準法は1950年に制定された以降、1971年と1981年、2000年に大幅な改正がありました。

1981年の改正前の耐震基準を「旧耐震基準」、改正以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼びます。

旧耐震基準では「震度5強程度の地震で損傷を受けないこと」と定められていました。

新耐震基準では、「中規模の地震でほとんど損傷しない、かつ、大規模の地震で倒壊・崩壊しない」という基準に改正されました。

【理由②】管理組合の実態がない場合がある

築70年のマンションは、管理組合の実態がない、機能していないなどの理由から、マンションの管理が行き届いていないことがあります。

現代では、建物の区分所有等に関する法律により、管理組合の規定が義務化されていますが、義務化以前は管理組合の規定は義務ではありませんでした。

管理組合はあるけど、組合員の高齢化によって、適切に機能していないこともあります。

管理組合として、機能していなければ、清掃業者の手配などがされず、マンションのエントランスや共用部に清掃や維持・管理が行き届かなくなります。

マンション購入者が内覧に来たときに、共用部分が汚れていたり、適切な修繕がされていない場合には購入希望者が現れにくくなってしまうでしょう。

【理由③】修繕積立金が高い

マンションの築年数が古くなると、修繕や清掃などの管理費用が増える傾向にあります。

その結果、修繕積立金が高額になりがちです。

修繕積立金は、建物のメンテナンスや日常の清掃作業に必要な費用で、マンションの所有者が毎月支払うものです。

築年数が古いと修繕にかかる費用が多くなるため、修繕積立金も上昇し、これが購入希望者の関心を減少させる原因となります。

【理由④】建て替えが近いと思われる

築70年を超えるマンションは、国が定める耐用年数を大きく上回るため、「建て替えが必要になる可能性が高い」と見なされます。

このため、購入者は敬遠する傾向にあります。

建て替えが実際に行われると、買主は建て替え費用の一部負担や、仮住まいへの移転費用など、追加の経済的負担を背負うことになるからです。

築70年を経過したマンションの購入は、近い将来における建て替えの可能性を考慮する必要があり、この点が購入希望者の関心を減少させる主要な理由となります。

【理由⑤】立地が悪い

中古マンションの売却成功は、その立地条件が大きく影響します。

特に、周辺の利便性や生活環境の良さは、土地の価値と並び、重要な要素となります。

具体的には、「周辺にショッピング施設が充実しているか」「子育てしやすい環境か」などの点が購入希望者にとっては大きな魅力となります。

一方で、生活に必要な施設へのアクセスが悪いなど、日々の生活に不便を感じさせるような都市部のエリアでは、マンションの需要が低下し、売却が難しい状況になることもあります。

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マンションの耐用年数

マンションの耐用年数

マンション(鉄筋コンクリート)の法定耐用年数は、47年と定められています。

これは毎年減価償却していき、最終的に償却がゼロになるのが47年ということです。

耐用年数を超えると性能が落ちるように思われがちですが、耐用年数=寿命ではありません。

鉄筋コンクリート以外の住宅用の耐用年数表は以下のとおりです。

構造・用途耐用年数
木造・合成樹脂造22
木骨モルタル造20
れんが造・石造・ブロック造38
金属造19〜34(大きさによって変動する)

参考:耐用年数(建物/建物附属設備)平成30年分国税庁

マンションの平均寿命

マンションの平均寿命

国土交通省の資料によると、鉄筋コンクリート(RC)造の建物の平均寿命は、約68年とされています。

この平均寿命は、自治体が管理する土地や建物などの台帳(固定資産台帳)にあるデータを参考に算出された数字です。

参照:国土交通省「期待耐用年数の導出及び外装・設備の更新による価値向上について」

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築70年のマンションを売却するコツ

築70年のマンションを売却するコツ

築70年のマンションを売却するコツは以下のとおりです。

  • 築古物件も取り扱い可能な不動産業者を選別する
  • 築年数に見合った価格で売る

順番に解説します。

築古物件も取り扱い可能な不動産業者を選別する

不動産売却を検討する際の第一歩は、専門の不動産業者による物件の査定を受けることです。

特に、築70年のような築年数が古いマンションの場合、その特性を理解し、適切に取り扱える不動産業者を選ぶことが成功への鍵となります。

なぜなら、不動産業者には得意とする物件のタイプがあり、築古マンションの売却経験が豊富な業者を選択することで、より適正な査定価格の提案や、スムーズな売却プロセスを期待できるからです。

築70年を超えるマンションの売却を考えている場合は、事前に不動産業者のホームページを確認し、築古物件の取り扱い実績を持つ業者に相談することをお勧めします。

築年数に見合った価格で売る

築70年のマンションを市場に出す際には、その年数を考慮した適正価格でのリストアップが重要です。

不動産の価格設定は、通常、同エリア内の類似物件の価格を参考にしますが、築70年という長い期間は価格設定において特別な考慮が必要な要素となります。

築浅の物件と同様の価格設定では、購入者はなかなか見つからないでしょう。

したがって、価格決定前には複数の不動産業者による査定を受け、それぞれの査定価格の理由を詳しく聞き、築70年のマンションに適した売り出し価格を慎重に決定することが推奨されます。

マンションの建て替えが少ない理由

マンションの建て替えが少ない理由

マンションの建て替えが少ない理由は以下のとおりです。

  1. 費用の負担が重い
  2. 建て替え決定までの流れが複雑
  3. 既存不適格な分譲マンションが多い

順番に解説します。

【理由①】費用の負担が重い

マンションの建て替えが進まない主な原因は、高額な建て替え費用の負担にあります。

管理組合による修繕積立金の蓄積があるにもかかわらず、その金額だけでは建て替えに必要な費用を賄うことが困難で、多数のマンションが資金不足により建て替えを断念しています。

一方で、建て替えに成功しているマンションの例もあり、これらは追加の分譲を創出し、その販売から得た収益を建て替え資金として活用しています。

たとえば、既存の100戸のマンションを建て替えて150戸に増やし、その新たに50戸を販売することで、必要な資金を確保しています。

しかし、新たなユニットの創出が可能なのは、土地の容積率に余裕があるマンションに限られる点に注意が必要です。

【理由②】建て替え決定までの流れが複雑

マンションの建て替えが難航する大きな理由の1つは、その決定プロセスの複雑性です。

マンション建て替えには、「建て替え決議」と呼ばれる、区分所有者及び議決権者の5分の4以上の賛成が必須です。

この賛成率の達成が最初の大きな障壁となります。

加えて、建て替え実施には、所有者が一時的に別の住居に移る必要があり、修繕積立金の増額など経済的負担も伴います。

特に、収入源が限られる高齢者が多い古いマンションでは、この経済的負担が合意形成の妨げとなりがちです。

結果として、多くのマンションで建て替え決議が取れず、管理組合も建て替えを推進しない方向に傾くことが一般的です。

【理由③】既存不適格な分譲マンションが多い

建て替えにおける課題の一つとして、既存の分譲マンションが現行の建築基準に適合していない場合が挙げられます。

具体的には、容積率の観点から不適格な状態にある物件が存在します。

例えば、容積率200%の指定がある土地で既に250%の容積率を使用している物件は、既存不適格と見なされます。

さらに、容積率規定が設けられる前に建設された物件の中には、現在の基準を超える容積で建てられたものもあります。

ただし、容積オーバーでなくても、容積率に余裕がない場合、建て替えは困難です。

これは、法令を遵守している建物であっても、容積率が完全に消化されている場合には、新たな建物に対して余地がないためです。

例えば、土地の容積率が300%で、現在の建物もその容積率をフルに使用している場合、建物は法的に問題ないものの、建て替えに際しては新たな課題が生じます。

まとめ【築70年のマンションも売却できる】

今回は、築70年のマンションを売却するコツやマンションの建て替えが少ない理由について解説しました。

築70年のマンションを売却するコツは以下のとおりです。

  • 築古物件も取り扱い可能な不動産業者を選別する
  • 築年数に見合った価格で売る

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