マンション管理組合の役員は断れるのか?断るときのポイントも解説

「マンション管理組合の役員は断れるのかな?」

「マンション管理組合の役員の選任方法が知りたい」

「役員を断るときのポイントが知りたい」

などとお考えではありませんか?

結論から述べると、マンション管理組合の役員は断ることが可能です。

本記事では、マンション管理組合の役職ごとの役割と併せて、役員の選任方法や役員を断るときのポイントを解説します。

最後まで読むと、役員の断り方が具体的にわかります。

池田写真


この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ 代表取締役社長
池田 秀人

2017年6月株式会社デュアルタップ入社、2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、完全子会社へ(取締役就任)、2019年7月専務取締役に就任、2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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マンション管理組合の役員は何をするのか?

マンション管理組合の役員は何をするのか?

マンション管理組合の役職ごとの役割は以下のとおりです。

  • 理事長
  • 副理事長
  • 会計理事
  • 監事

順番に解説します。

理事長

マンション管理組合の理事長とは、組合のリーダーであり、役員の最上位に位置する重要な役割を担う人のことを指します。

理事長の主要な任務は、定期総会で議長を務め、役員の会議である理事会を招集することです。

さらに、理事長はマンション管理組合の代表者として、組合の印鑑を管理し、工事の注文書や管理組合の重要な書類に署名・捺印する役割も持っています。

副理事長

マンション管理組合の副理事長は、理事長の補佐役を務める役員です。

理事長が何らかの事情で理事会や総会に出席できない場合、副理事長が理事長の役割を引き継ぎます。

マンションの規模により状況は異なりますが、理事長に問題がなければ、副理事長が特定の任務を担うことはほとんどありません。

会計理事

マンション管理組合の会計理事は、組合の会計業務全般を担当します。

主な業務内容は、管理費や修繕積立金の徴収、支払い先への支払い、そして決算書類の作成です。

会計理事は役員の中で最も負担の大きい役割と言われることもあります。

ただし、管理会社に会計業務を委託している場合は、会計理事の役割があまり目立たないこともあります。

監事

マンション管理組合の監事は、理事会の活動を監視する役割を担います。

会社の監査役と似た機能を持ち、理事会が適切に運営されているか、お金の流れに異常がないかをチェックします。

監事は、理事会に問題があれば、臨時総会を開催する権利を持っています。

また、問題がない場合でも、通常総会でその監査結果を報告する必要があります。

マンション管理組合の役員は断れるのか?

マンション管理組合の役員は断れるのか?

結論、辞退・拒否は可能です。

マンション管理組合の役員は、通常、複数の人が順番に担当を務める「輪番制」が一般的です。

その他にも、公募や相互推薦によって選ばれる場合がありますが、どのケースでも辞退や拒否は可能です。

ただし、管理組合は住民の協力によって運営されているため、正当な理由なく拒否すると、共同住宅の維持・管理や生活ルールの策定に消極的だと見なされ、他の住民の反感を買う可能性があります。

やむを得ず辞退する場合は、「海外赴任などで長期間不在になる」など、納得できる理由を示して辞退するのが良いでしょう。

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マンション管理組合の役員の選任方法

マンション管理組合の役員の選任方法

マンション管理組合の役員選出には、次のような方法があります。

公募:住民から役員候補者を募集します。

推薦:現役の役員が中心となって、次の役員候補者を推薦する方式です。コミュニティが活発なマンションでは、各フロアから推薦者を選出することもあります。

輪番制:マンション全体をいくつかのグループに分け、その中から順番で役員を選出する方式です。部屋番号の順番に沿って機械的に選ぶ方法や、過去に役員を経験した人を除いて抽選する方法などがあります。

多くの管理組合では、輪番制を採用しており、部屋番号の順で役員を選出するケースが一般的です。

また、ほとんどの管理組合では、毎年全役員が交代することが一般的ですが、継続性の問題を解消するために、役員の半数のみを交代させる組合もあります。

一部の管理組合では、副理事長が次期理事長になることを前提にすることもあります。

マンション管理組合の役員の断り方

マンション管理組合の役員の断り方

マンション管理組合の役員の断り方は以下のとおりです。

  • 仕事を理由にする
  • 健康面を理由にする
  • 子どもの面倒を見る必要がある
  • 高齢のため

順番に解説します。

仕事を理由にする

状況によりますが、役員を断る理由として「仕事」が認められる可能性があります。

たとえば、頻繁な出張などで自宅を留守にすることが多い場合、理事会の業務をこなすのは難しいと見なされます。

ただし、断る際には謙虚な態度を保ち、仕事の状況が変われば役員を引き受ける意思があることを伝えるのが重要です。

単に「仕事が忙しい」だけでは、役員を断る理由として認められない場合があります。

多くの人が仕事と管理組合の役員を両立しています。客観的に納得できるような特別な理由がない限り、任期中は仕事と役員の両立を工夫することが求められます。

健康面を理由にする

自分や家族が健康上の問題を抱えている場合、役員を辞退する理由として認められることがあります。

たとえば、頻繁な通院が必要だったり、家族の介護を行っている状況であれば、役員の業務が大きな負担になるため、周囲も納得するでしょう。

しかし、周囲に同じような状況の人が多いと、役員を断る理由としては弱いかもしれません。

どうしても役員を引き受けるのが難しい場合は、健康状態や辞退の理由を具体的に説明することが重要です。

子どもの面倒を見る必要がある

小さな子どもがいると、子育てや急な病気への対応などで、役員の仕事を十分にこなすことが難しい場合があります。

このような状況を理由に、役員を断ることも可能です。

ただし、家族で協力すれば、子育てと役員の仕事を両立できるのではないかと考える人もいるでしょう。

そのため、役員を辞退する際は、「子どもが成長した際には役員を引き受けるので、今回は順番を飛ばしてください」といったように、将来的に役員を引き受ける意思を示すことが大切です。

高齢のため

高齢になると、役員の業務を遂行するのが難しくなるため、役員を拒否できる可能性が高いでしょう。

高齢者は、体調の急な変化や病院への通院が必要になることが多く、体力的に役員を続けるのが難しい場合もあります。

ただし、「高齢だから」といった理由だけでは役員を断るのは難しいこともあります。

役員を辞退する場合は、なぜ役員が務まらないのか、その原因を具体的に説明することが重要です。

マンション管理組合の役員を断るときのポイント

マンション管理組合の役員を断るときのポイント

マンション管理組合の役員を断るときのポイントは以下のとおりです。

  • 役員を自分で探す
  • いつならできるか伝える
  • 断り方に配慮する

順番に解説します。

【ポイント①】役員を自分で探す

どうしても役員を断らなければならないときは、代わりに役員を引き受けてくれる人を探すのがおすすめです。

管理組合は、役員が不足すると運営に支障が出るため、役員選出は必須です。

そのため、輪番制の場合は、順番に当たった人が役員を引き受けることが期待されています。

管理組合としては、役員が決まれば問題が解決するので、代わりの人が見つかればスムーズに納得してもらえるでしょう。

ただし、代役を見つけるのは容易ではありません。

普段から近所との付き合いを大切にして、助け合う関係を築いておくと、困ったときに助けてくれる人が見つかるかもしれません。

【ポイント②】いつならできるか伝える

役員の任命を断るだけでは、将来的にも役員の役割を任される機会を失ってしまうかもしれません。

そこで、断る際は「現時点ではお引き受けできないが、○年後なら可能性がある」と具体的に示すことが重要です。

役員の役割は一般的に持ち回りで行われ、積極的に志願する人が少ないため、公平性を保つためには皆が協力する必要があります。

そのため、特定の家庭が役員にならない場合、他の住民から不満の声が上がる可能性があります。

自分が今役員の役割を果たせない理由を丁寧に説明し、将来的には役員を引き受ける意思があることをしっかり伝えることが肝要です。

【ポイント③】断り方に配慮する

役員への就任を辞退する際は、慎重に考える必要があります。

他の住民からの理解を得るためには、十分な理由を示さなければなりません。

無闇に役員就任を辞退すると、コミュニティ内での関係が悪化するおそれがあります。

円滑なコミュニケーションを維持することが重要であり、マンションライフの快適さにも影響します。

そのため、特別な事情がない限り、役員の責任を引き受けることが望ましいです。

輪番制を採用している場合は、公平に役割を分担できますので、後任者に仕事を引き継ぐことが可能です。

マンション管理組合の役員のNGな断り方

マンション管理組合の役員のNGな断り方

マンション管理組合の役員のNGな断り方は以下のとおりです。

  • 役員に就任した後に辞任する
  • 引っ越しする可能性があるという

順番に解説します。

役員に就任した後に辞任する

役員に就任した後、思わぬ理由で辞任することは避けるべきです。

役員の選出には一定の時間が必要であり、途中での辞任は新たな役員を選出する手間や時間を要します。

このような状況は多くの住民にとって不都合であり、事前に役員を辞退するよりも不満が高まる可能性があります。

マンション生活を円滑に送るためにも、計画的で責任ある行動が求められます。

引っ越しする可能性があるという

引っ越しの計画があるため、役員に就任しても途中で辞める可能性があるという理由で断ることは慎重に考えるべきです。

もし引っ越しの計画が確定している場合は別ですが、不確定な状況で引っ越しを理由に役員の責任を断ると、将来的に他の住民から疑念を抱かれる可能性があります。

「嘘をついて役員を断ったのでは?」と疑われたり、「引っ越しの予定があったのになぜ役員になったのか」と不信感を持たれることもあります。

もし引っ越しの可能性がある場合は、事前に関係者と相談し、計画を共有することが賢明です。

これにより、将来的な関係の悪化を防ぎ、円滑なコミュニケーションを維持することができます。

まとめ【マンション管理組合の役員は断れる】

今回は、マンション管理組合の役職ごとの役割と併せて、役員の選任方法や役員を断るときのポイントを解説しました。

マンション管理組合の役員の断り方は以下のとおりです。

  • 仕事を理由にする
  • 健康面を理由にする
  • 子どもの面倒を見る必要がある
  • 高齢のため

本記事を参考にして、自分に合った方法を見つけましょう。

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