マンション管理組合の役員の報酬はある|20.2%の管理組合は報酬を支払っている

「マンション管理組合の役員の報酬はあるのかな?」

「役員の報酬相場が知りたい」

「マンション管理組合の役員は断れるのかな?」

などとお考えではありませんか?

本記事では、マンション管理組合の役員の報酬概要と併せて、役員の報酬相場や報酬を設定するメリット・デメリットについて解説します。

最後まで読むと、マンション管理組合の役員の報酬について理解できます。

池田写真


この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ 代表取締役社長
池田 秀人

2017年6月株式会社デュアルタップ入社、2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、完全子会社へ(取締役就任)、2019年7月専務取締役に就任、2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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マンション管理組合の役員とは?

マンション管理組合の役員とは?

マンション管理組合の役員は通常、以下のことを指します。

  • 理事長
  • 副理事長
  • 理事
  • 監事

理事長は管理組合の代表で、組合業務を統括します。

また、区分所有法上の管理者です。

副理事長は理事長の補佐です。

理事は通常、その職務について、規約に別段の定めがなければ、理事会に出席して決議に参加することが職務です。

規約に会計担当理事、総務担当理事などの職務が定められている場合は、それに当たります。

理事の人数は、マンションの規模・管理の仕方・運営方法などによって異なります。

監事とは理事会活動のお目付け役のことです。

理事会が正常に稼働しているか、お金の流れに怪しい点がないかなどを確認する役目です。

マンション管理組合の役員の報酬はあるのか?

マンション管理組合の役員の報酬はあるのか?

国土交通省の「マンション居住と管理の現状について」の資料によると、2割程度の管理組合に報酬があります。

具体的には、報酬を支払っていない管理組合の割合が75.9%となっており、役員に報酬を支払っている管理組合の割合は20.2%となっています。

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

【マンション管理組合】役員の報酬相場

【マンション管理組合】役員の報酬相場

参考:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

国土交通省の「マンション居住と管理の現状について」の資料を参考に以下にまとめました。

  • 役員報酬が各役員一律の場合の報酬額
  • 役員報酬が役員一律でない場合の理事長の報酬額
  • 役員報酬が役員一律でない場合の役員(理事)の報酬額
  • 役員報酬が役員一律でない場合の役員(監事)の報酬額

順番に解説します。

役員報酬が各役員一律の場合の報酬額

役員報酬が各役員一律の場合の報酬額

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

役員報酬が各役員一律の場合の報酬平均額は3,600円/月です。

役員報酬が各役員一律の場合の一月あたりの報酬額をみると、1,000円以下が35.9%、2,000円以下が17.4%、3,000円以下が16.3%となっています。

役員報酬が役員一律でない場合の理事長の報酬額

役員報酬が役員一律でない場合の理事長の報酬額

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

役員報酬が役員一律でない場合の理事長の報酬平均額は9,300円/月です。

役員報酬が役員一律でない場合の理事長の一月あたりの報酬額をみると、9,000円超としている管理組合の割合が33.4%となっており、報酬額の平均が9,300円となっています。

役員報酬が役員一律でない場合の役員(理事)の報酬額

役員報酬が役員一律でない場合の役員(理事)の報酬額

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

役員報酬が役員一律でない場合の役員(理事)の報酬平均額は5,500円/月です。

役員報酬が役員一律でない場合の役員(監事)の報酬額

役員報酬が役員一律でない場合の役員(監事)の報酬額

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

役員報酬が役員一律でない場合の役員(監事)の報酬平均額は4,900円/月です。

役員報酬が役員一律でない場合の理事・監事の一月あたりの報酬額をみると、おおよそ同じ割合となっており、5,000円以下としている管理組合の割合が7割程度を占め、報酬額の平均が 5,000円程度となっています。

参照:国土交通省「マンション居住と管理の現状について」

管理組合の役員報酬に税金はかかるのか

管理組合の役員報酬に税金はかかるのか

管理組合が理事などの役員へ報酬を支払う場合、その報酬が給与所得その他源泉徴収の対象となる報酬に該当すると、管理組合が所得税の源泉徴収義務者となります。

【マンション管理組合の役員】報酬を設定するメリット

【マンション管理組合の役員】報酬を設定するメリット

報酬を設定するメリットは以下のとおりです。

  • 金銭で報いることができる
  • モチベーションが向上する

順番に解説します。

【メリット①】金銭で報いることができる

管理組合や理事会の仕事は休日に行われることが多い傾向があります。

見返りがないのに休日を潰すのは厳しいと思うでしょう。

しかし、管理業務を実施することで金銭を受け取れるとなると話は別です。

ただ働きではなく、自分の行動に対して報酬を受け取れるため、気持ちよく仕事ができます。

【メリット②】モチベーションが向上する

報酬があるとわかれば、マンション管理に対して積極的に取り組むモチベーションが高まります。

そうなると、管理業務に対して責任が生まれやすくなり、その結果、管理の質も向上するでしょう。

質が向上するということは、管理が行き届きやすくなるということです。

きちんと管理され続けることで、資産価値の向上にもつながります。

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【マンション管理組合の役員】報酬を設定するデメリット

【マンション管理組合の役員】報酬を設定するデメリット

報酬を設定するデメリットは以下のとおりです。

  • 追加のコストが必要
  • プレッシャーになってしまう

順番に解説します。

【デメリット①】追加のコストが必要

役員報酬を支払うための費用を追加する必要があります。

今までの管理費では足りなくなってしまうかもしれないからです。

中には役員報酬目当てで、役員に立候補する人が出る可能性もあります。

費用をどう工面するかだけではなく、報酬目当てで業務を真面目にやらない役員への対応などが必要になってくるでしょう。

【デメリット②】プレッシャーになってしまう

役員になってプレッシャーになってしまうことがデメリットの1つです。

区分所有者からの意見は貴重ですが、その意見が役員にとってプレッシャーになることもあります。

たとえば、以下のような意見もあります。

「役員は報酬を受け取っているから休日に仕事をして当たり前」

きちんと仕事をしなければいけないというプレッシャーになると、報酬をもらえたとしても役員に就任したくないと思う人が出てくるかもしれません。

役員以外の組合員は、マンション管理に対する当事者意識がどんどん薄れてしまう可能性があります。

【マンション管理組合】役員報酬制度導入の手順

【マンション管理組合】役員報酬制度導入の手順

役員報酬を支払うまでの流れは以下のとおりです。

  • 理事会での検討
  • 組合員への説明
  • 総会での決議

順番に解説します。

理事会での検討

まずは理事会で報酬制度導入の必要性を整理・検討します。

その上で以下のことを行います。

  • 支給額
  • 支給方法
  • ルールの設備

予算案の検討・作成

組合員への説明

理事会での検討結果を組合員に伝える場を持ちます。

なぜ報酬制度の導入が必要なのか、導入することによって生じるメリット・デメリットなどを説明し、理解と協力を得られるようにします。

総会の前に実施する方がスムーズといえます。

総会での決議

組合員への説明をもって、総会で決議します。

以上が報酬制度導入の手順となります。

マンション管理組合の役員は断れるのか

マンション管理組合の役員は断れるのか

結論として、マンション管理組合の役員は断ることが可能です。

マンションに必ずある管理組合ですが、多くのマンションでは役員の選出は「輪番制」が採用されています。

自分が役員になる順番が回ってきますが、中には役員になりたくないと考えている人もいるでしょう。

しかし、マンションの管理は管理組合全員の協力のもと成り立っているため、正当な理由がなく「やりたくないからできません」という理由だけで断るのは難しいです。

次の見出しで正しい断り方について解説します。

関連記事:マンション管理組合の役員は断れるのか?断るときのポイントも解説

マンション管理組合の役員の断り方

マンション管理組合の役員の断り方

マンション管理組合の役員の断り方は以下のとおりです。

  • 仕事が忙しくて時間がない
  • 健康状態に課題がある
  • 幼い子どもの世話が必要
  • 高齢のため仕事ができない

順番に解説します。

仕事が忙しくて時間がない

「仕事が忙しくて時間がない」という方は、役員を断る理由になります。

しかし、時間がないと伝えるだけで断るのは難しいでしょう。

なぜなら、ほとんどの人が仕事をしながら役員の業務もこなしているからです。

たとえば、出張や土日の出勤が多くて家を空けがちで、理事会への出席や役員業務を行えないなど、特別な理由が必要です。

仕事と役員を両立できるくらいの忙しさなら、説得するのは難しいでしょう。

厚生労働省の「労働時間制度」の資料によると、1日の所定労働時間の平均は7時間42分となっています。

参照:厚生労働省「労働時間制度」

この時間を1つの指標にして、自分が過度に働いているか確かめてみましょう。

仕事の忙しさを理由に役員を断る際は、「謙虚な態度」で伝えることが大切です。

仕事の状況が変われば役員を引き受けるということを同時に伝えるのがポイントです。

健康状態に課題がある

自分自身や家族の健康状態に課題があれば、役員を断れます。

入院していたり、通院が多かったりして、家にいる期間が少ないと、役員業務が大きな負担になる人もいるでしょう。

そのような場合は、役員を断ることが可能です。

幼い子どもの世話が必要

幼い子どもがいる場合、普段の子育てや病気の際の急な対応などで役員の仕事を満足にこなすことは難しいでしょう。

この状況を理由に役員を断ることも可能です。

しかし、役員の仕事と子育てを家族で協力すれば、どちらも行えるのではないかと思われることもあります。

断る際は、「子どもが大きくなった際は役員になるので、今回は辞退させてください」などと、将来は役員になるということを伝えましょう。

高齢のため仕事ができない

高齢で役員の仕事を行うことに問題がある場合は、拒否できる可能性が高いでしょう。

高齢だと、どうしても急な体調の変化などで通院したり、入院したりすることがあります。

そうなると、体力的にも役員を続けるのが難しかったりします。

しかし、「高齢者だから」という理由だけで断るのは難しいでしょう。

なぜ役員になれないのか、断れなければならない原因を具体的に説明する必要があります。

マンション管理組合の役員を拒否するとペナルティはあるのか?

マンション管理組合の役員を拒否するとペナルティはあるのか?

役員を拒否しても法的なペナルティはありません。

しかし、多くのマンションでは管理組合の全員が平等に持ち回る役職であるため、特定の人だけが役員にならないのは不公平だと感じる住民も多いかと思います。

そのため、中には役員を拒否した場合は、負担金や協力金を払わないといけないなどのルールが設けられているマンションもあります。

まとめ【マンション管理組合の役員の報酬について理解しましょう】

今回は、マンション管理組合の役員の報酬概要と併せて、役員の報酬相場や報酬を設定するメリット・デメリットについて解説しました。

報酬を設定するメリットは以下のとおりです。

  • 金銭で報いることができる
  • モチベーションが向上する

本記事を参考に役員の報酬について理解を深めましょう。

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こういった悩みはありませんか?大切なことなので慎重になり、なかなか自分では動けませんよね。

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