電気防食によるマンション配管延命工事

最近のマンションの給水管は、共用部分は耐圧塩ビ管やステンレス管、専有部分は架橋ポリスチレンなどが使用されており、錆びることも無くほとんど半永久的に使用可能であると思われます。

しかし、10年以上前の一般的な給水管の仕様は、直管部分は塩ビライニング鋼管で錆は発生しにくいのですが、継ぎ手の部分が鉄製です。

そして、その部分から錆が発生して赤水や漏水などの被害事例も良く見かけます。
継ぎ手部分に「管端コア」等を使用している場合は直管と継ぎ手のジョイント部分が水に触れないので錆の発生を防止することもできますが、そうでない場合はいずれは新しいものに更新するしかありません。
また、更新までの期間をなるべく長く持たせる延命策もいろいろ考えられ、もっともポピュラーな方法は、エポキシ樹脂ライニング工法による更正工事といわれるものです。

今回は「電気防食」による延命工法についてです。

電気防食の延命工法は金属が水中にイオンとして溶け出すのを防ぐために、配管に電気を流して電子を与え続けるのだそうです。
給水管が錆びる原因は、鉄がイオンとなって水中に溶け出て水中の水酸基と結合するからですが、イオンとなって流出しなければ錆びることはない理屈となります。

水にさらされた鉄は当然錆びていきます。
ここに電流を流すことにより、錆びにくくします。
また、電気を流すことにより錆が剥離していく可能性もあります。

実際の設置コストはまだ高額のようですが、
ランニングコストも安く、配管の更新を遅らせることが期待できます。

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