築60年のマンションは住めるのか?購入するメリット・デメリットを解説

「築60年のマンションって住めるの?」
「築60年のマンションを購入する際の注意点が知りたい」
「築60年のマンションってリフォームしたらさらに住めるのかな?」
などとお考えではありませんか?

本記事では、築60年のマンションが住める理由と併せて、築60年マンションを購入するメリット・デメリット、リフォームするのにかかる費用相場を解説します。

最後まで読むと、なぜ築60年マンションに住めるのか具体的にわかります。

この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ
代表取締役社長 池田 秀人
2017年6月株式会社デュアルタップ入社、
2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、
2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、
完全子会社へ(取締役就任)、
2019年7月専務取締役に就任、
2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、
宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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築60年マンションは本当に住めるのか?

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日本の国土交通省の調査によると、鉄筋コンクリート造りのマンションは、適切なメンテナンスを行えば、その寿命を大幅に延ばすことが可能です。
例えば、定期的な修繕を行うことで、本来の寿命である120年を超え、150年以上の使用が可能になるとされています。
これは、築100年を超えたマンションにも住み続けることが理論上可能であることを意味します。
しかし、日本では地震が頻繁に起こるため、建物の耐震性に関する基準が厳格です。
このため、実際に築100年以上のマンションが存在することは珍しく、多くの建物はまだ使用可能な状態でも大規模な修繕や建て替えが行われることが一般的です。
したがって、築60年のマンションでも住むことは可能ですが、将来的には大規模なメンテナンスや建て替えが必要になる可能性があります。
また、マンションの寿命と混同されがちなのが「法定耐用年数」です。
これは、マンションの価値が減価償却によりゼロになるまでの期間を指し、中古マンションの場合は47年です。
しかし、これはあくまで会計上の数字であり、47年が経過したからといって住めなくなるわけではありません。

築60年マンションを購入するメリット

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築60年マンションを購入するメリットは以下のとおりです。

・価格が安い
・立地条件がよい
順番に解説します。

価格が安い

経年による中古マンションの価格の低下は、その主な利点の一つです。
時間が経過するにつれて、マンションの市場価値は徐々に減少していきます。
これは、国税庁によって定められたマンションの「法定耐用年数」が関係しています。
建物の寿命がその法定耐用年数に近づくにつれ、自然な経年劣化が進み、結果として価値が低下する傾向があります。

立地条件がよい

中古マンション市場では、新築マンションに比べて選択肢が豊富にあります。
これは、中古マンションの建築が1960年代から始まり、毎年新しい建物が追加され続けているためです。
言い換えれば、中古マンションの総数は新築マンションよりも多いため、希望する地域で自分の条件に合った物件を見つけやすいということです。

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築60年マンションを購入するデメリット

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築60年マンションを購入するデメリットは以下のとおりです。

耐震性が心配
住宅ローンの審査が通らない場合がある
修繕積立金が高い場合がある
順番に解説します。

耐震性が心配

築60年程度のマンションには、耐震性の面で懸念があります。 これは、これらの建物が1981年5月以前の旧耐震基準に基づいて建設されたためです。 旧耐震基準は、1981年5月以前に計画された建物に適用される基準です。これに対して、1981年以降に設計された建物は新耐震基準に準拠しています。 旧耐震基準の建物は震度5の地震で倒壊しないように設計されていますが、震度6以上の地震に対する具体的な規定はありません。 新耐震基準に基づく建物では、震度7の強い地震にも耐えうる設計がなされています。

住宅ローンの審査が通らない場合がある

築60年の中古マンションを購入する際、新築物件と比べて住宅ローンの承認が得にくいことがあります。
これは、中古マンション購入時のローン審査で、物件自体の価値、特に築年数やロケーションなどが重要視されるためです。
さらに、中古物件によっては、必要な条件を満たせずにローンが得られない、または希望する金額を借りられないというケースもあり得ます。
金融機関によって審査基準が異なるため、購入を検討する際には複数の金融機関に相談することが推奨されます。

修繕積立金が高い場合がある

マンションの修繕積立金は、各物件によって異なりますが、一般的には建物の築年数が経過するにつれて高額になる傾向があります。
これは、年数が経過したマンションでは大規模な修繕が必要となり、それに伴って修繕費用が増加するためです。

築60年マンションを購入する際のポイント

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築60年マンションを購入する際のポイントは以下のとおりです。

建物構造を確認する
長期修繕計画に問題ないか確認する
順番に解説します。

建物構造を確認する

建物の外観をチェックし、大きなヒビや亀裂がないかを観察します。
これらの外観上の問題は、修繕予算の不足や管理の不十分さを示唆する可能性があります。
外観のチェックは、遠くからでも十分です。
次に、配管の材質やその状態を確認します。
金属製の配管は劣化が早いため、引っ越し後すぐに交換や修理が必要になるリスクがあります。
一方で、樹脂製の配管は金属製より耐久性が高く、長持ちします。
さらに、水漏れや配管の明らかな劣化の有無を視覚的に確認することも重要です。
築年数が長い中古マンションでは、配水管がコンクリートに隠されているか、下階の天井裏を通っていることがよくあります。
特に、メーターボックスや給湯器周辺の配管は露出している可能性が高いため、そこを重点的に調べることが推奨されます。

長期修繕計画に問題ないか確認する

中古マンションの管理状態を評価するためには、その長期修繕計画の内容を確認することが重要です。
国土交通省の指針によると、マンションの定期修繕は12年ごとに行うのが望ましいとされています。
適切に修繕積立金が徴収され、その額が計画的に算出されているかどうかを確認することがキーポイントとなります。

築60年以上のマンションの売却のメリット

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築60年以上のマンションを売ることで大きな利益を得るのは難しいでしょう。
そのような物件を保持し続けることは、将来的に売れない不良資産を抱えるリスクもあります。
一戸建ての実家を相続する場合にも多くの問題が生じますが、売れにくいマンションの場合、実家として利用するかどうかに関わらず、相続において複雑な問題を引き起こす可能性があります。
一戸建ての場合、仮に不良資産であっても、建物を取り壊せば土地としての価値が残ります。
木造や鉄骨造の家屋の解体費用はそれほど高くないためです。
しかし、マンションの場合はどうでしょうか。
鉄筋コンクリート製のマンションの解体費用は高額で、そもそも複数の区分所有者がいるマンションでは解体を決定すること自体が困難です。
現在賃貸として貸し出しているマンションであっても、永遠に賃貸収入を得られるわけではありません。
物件が古くなればなるほど、売却が難しくなりますので、売却によって手放せれば、それはメリットと言えます。

築60年以上のマンションの売却のデメリット

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売却自体に直接的なデメリットはないものの、物件が売れるまでに時間がかかることは、潜在的なリスクとして考慮すべきです。
売却に時間がかかれば、その期間の維持管理費用も増加します。
さらに、古い物件はさまざまな問題を抱えていることが多いです。既知の欠陥がある場合は、購入者にこれらの情報を正確に伝え、引き渡し後のトラブルを避けるために注意が必要です。

築60年以上のマンション売却時の注意点

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築60年以上のマンション売却時の注意点は以下のとおりです。

・売却のためにリフォームやリノベーションをしない
・複数の不動産会社に査定をする
・買取も検討する
順番に解説します。

売却のためにリフォームやリノベーションをしない

売れ行きが悪い古いマンションの場合、室内の大規模なリフォームやリノベーションに踏み切るのは慎重に考えた方が良いでしょう。
なぜなら、これらの改修作業が必ずしも販売の障害を解消するわけではないからです。
軽微なハウスクリーニングや小修繕ならばコストも低く抑えられますが、スケルトンリフォームや全面リフォーム、リノベーションなどの大掛かりな作業になると、費用は数百万円にも上ることがあります。
これらの改修費用を物件価格に上乗せすると、購入希望者を引き寄せるどころか遠ざける可能性もあります。
築60年の物件の室内をどれだけ美しくしても、建物の外観やその他の老朽化は変わらず、購入者は内装のみならず、多くの要素を考慮して判断します。
内装を改善するだけで物件が売れるというのは、リスクを伴う誤った考えかもしれません。

複数の不動産会社に査定をする

マンションの売却を検討する際、まずはいくつかの不動産会社に無料査定を依頼するのが一般的です。
この時、一つの会社に限定せず、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
特に築60年を超える物件の場合、買い手を見つけるのが容易ではないため、異なる不動産会社にアプローチすることで、特定の物件を求めている顧客を持つ会社に出会う可能性が高まります。
さまざまな不動産会社と接触することで、より良い条件で売却するチャンスを得られます。
また、複数の見積もりを比較することで、売出価格が適切かどうかの判断や、担当者との相性を確かめられ、これは売却において大きな利点となります。

買取も検討する

古いマンションを売却する際、個人の購入者を市場で探す代わりに、不動産会社や専門の買取業者に直接売ることも効果的な手段の一つです。
これらの業者は、買取後に大掛かりなリフォーム(スケルトンリフォーム、全面リフォーム、リノベーション等)を施し、物件を再販売することが多いです。
彼らはコストを抑えて質の高いリフォームを行う専門知識を持っているため、個人では難しい作業も可能です。
買取価格は市場価格よりも低く設定されることが一般的ですが、不良資産となるリスクを避けたい場合には、売却を検討する価値があります。
また、買取の場合は物件の状態を気にする必要がなく、フロアに傷がある、設備が壊れているといった問題も考慮しなくて済むという利点があります。

築60年の住宅をリフォームしたら何年住めるのか?

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築60年の家屋にリフォームを施すことで、100年以上の長寿命を実現することが可能です。
古い住宅をリフォームする際は、どの部分がどのように劣化しているかを把握することが重要です。
建物の位置や使用状況に応じて、修理が必要な箇所は異なります。
さらに、築60年以上の住宅は、当時の「旧耐震基準」に従って建設されており、震度5強程度の地震に耐えうる設計となっています。
しかし、現在の「新耐震基準」では震度6強から7の地震に耐えられるように設定されているため、耐震強化は欠かせない工事となります。

築60年のマンションをリフォームするのにかかる費用相場

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築60年以上の家の全面リフォームには、少なくとも500万円の費用が見込まれます。
この年数を経過した住宅では、多くの部分が損傷している可能性が高いため、部分的なリフォームではコストが割高になるリスクがあります。
将来的にかかるランニングコストを抑えるためにも、全面的なリフォームが最も効果的です。
築60年を越える住宅をリフォームする際は、フルリフォームの選択を優先することをおすすめします。

まとめ【築60年のマンションは住める】

今回は、築60年のマンションが住める理由と併せて、築60年マンションを購入するメリット・デメリット、リフォームするのにかかる費用相場を解説しました。
築60年マンションを購入するメリットは以下のとおりです。
価格が安い
立地条件がよい
メリット・デメリットを把握して納得してから購入しましょう。
・「マンション管理会社変更したいけど、やり方がわかんない……」
・「今のマンション管理会社に不満がある……」
こういった悩みはありませんか?大切なことなので慎重になり、なかなか自分では動けませんよね。
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