マンション管理費の値上げは本当に妥当?相場とチェックポイントを徹底解説

「マンション管理費の値上げ通知が来たけれど、本当に払うべきなの?」
「反対したいけど、将来マンションがぼろぼろにならないか不安」

マンション管理費の値上げは、感情だけで判断すると、後から家計や資産価値にしわ寄せが来ます。


家計も守りたいし、家族が安心して住み続けられる環境も守りたいですよね?

この記事でわかる内容

  • 管理費と修繕積立金の基礎と相場
  • 値上げ案が妥当か見極めるチェックポイント
  • 拒否した場合のリスクと上手な折り合い方

この記事を読めば、自分のマンションの値上げを冷静に評価し、落ち着いて対処できるようになります。


管理費の値上げ通知にモヤモヤしている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

池田写真


この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ 代表取締役社長
池田 秀人

2017年6月株式会社デュアルタップ入社、2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、完全子会社へ(取締役就任)、2019年7月専務取締役に就任、2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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そもそもマンション管理費とは?

マンション管理費の役割をおさえると、値上げ案の妥当性を冷静に見やすくなります。

お金の意味と、誰がどのように負担するかから整理しましょう。

マンション管理費の値上げの原因とは?管理費はどんな費用か

マンションの運営において、住民の生活の質を維持し向上させるためには、管理費の適切な利用が不可欠です。

この管理費には、共用部分の照明や水道などの光熱費、設備の定期的な保守やメンテナンス、そして管理組合の運営に必要な資金など、マンション生活を支えるための様々なコストが含まれています。

マンションの住民が毎月支払う管理費は、彼らが安全で心地よい生活環境を享受するために必要な費用であり、マンションの価値を維持するためにも重要な役割を果たします。

整理すると、次のような費用です。

費目具体例
人件費管理員の人件費、清掃員の人件費
光熱費共用灯の電気代、給水ポンプ電気代
設備保守費エレベーター点検、消防設備点検
清掃、衛生関連費共用部分の清掃、ごみ置き場清掃
事務、通信費管理組合の郵送費、印刷費、通信費
保険料、公租公課共用部分の火災保険、固定資産税

管理費から出るお金はエレベーターの停止を防いだり、共用灯をつけたり、清掃を入れたりする費用にあたります。

毎日の安全や清潔さに直結する支出が多いので、ムダを削りつつも、必要な最低ラインは守る考え方が大事になるでしょう。


関連記事:マンションの管理費が高い理由|高いマンションの特徴や相場を解説

マンション管理費と修繕積立金、管理委託費の違い

「管理費」と「修繕積立金」、「管理委託費」は、名前が似ていますが役割が違います。

混同しやすい部分なので、意味を整理しておくと値上げ案を冷静に見やすくなります。

項目お金の目的おもな使いみち
管理費日常の管理や運営にかかる費用管理員人件費や清掃、電気代など
修繕積立金将来の大規模修繕に向けた積立金外壁や屋上、防水、設備更新など
管理委託費管理会社へ支払う委託業務の対価管理会社の業務全体への支払い

管理委託費は、管理組合から見れば「支出項目のひとつ」であり、管理費の中に含まれる位置付けになります。

住民が毎月払うお金は主に「管理費」と「修繕積立金」で、その内訳のひとつとして管理委託費がある形と考えると整理しやすいです。

値上げの説明で管理委託費が話題に出た時は、管理費全体のバランスも合わせて見る視点が役に立ちます。

管理費、修繕積立金は共有持分割合で負担するのが原則

管理費と修繕積立金は、原則として「共有持分割合」に応じて負担する仕組みです。

共有持分割合とは、専有部分の面積に応じて決める持ち分で、広い部屋ほど割合が大きくなります。
標準管理規約では、管理費と修繕積立金を、この共有持分割合で按分する形が基本です。

イメージをつかみやすいように、専有面積が違う二つの住戸をならべます。

専有面積共有持分のイメージ毎月の負担イメージ
70㎡大きい管理費、修繕積立金も多め
50㎡小さい管理費、修繕積立金は少なめ

広い部屋の住民は、共用部分を多くもつ立場になるため、管理費や修繕積立金の負担も多くなります。

逆に、コンパクトな部屋の住民は負担が軽いです。

自分の支払額が高いと感じた時は、まず専有面積と共有持分割合を確認し、負担方法が規約に沿っているかを見ていきましょう。

マンション管理費、修繕積立金の相場と値上げの現状

マンション管理費や修繕積立金の相場を知ると、自分の負担が高いかどうか判断しやすくなります。

全国平均と値上げの流れを押さえたうえで、自分のマンションの立ち位置を確認しましょう。

70㎡換算で見る管理費と修繕積立金の全国平均

70㎡換算での全国平均を目安にすると、自分のマンションの金額を冷静に比べやすくなります。

広さをそろえると、地域差があっても大まかな高さをつかみやすいからです。

管理費と修繕積立金の全国平均を整理すると、次のようなイメージになります。

項目70㎡あたりの月額目安
管理費約1万5120円前後
修繕積立金約1万4350円前後
合計負担約3万円前後

自宅の専有面積が70㎡より広い場合は、上の金額より多くなりやすいです。

まずは自宅の管理費と修繕積立金を合計し、70㎡換算の目安と比べて「だいぶ高いのか」、「おおよそ同じか」を見ていきましょう。

築年数と戸数が管理費、修繕積立金を左右する

築年数と戸数は、管理費と修繕積立金の水準に大きく関わります。

同じ広さのマンションでも、築年数や戸数が違うだけで負担額が変わる理由は、以下のとおりです。
イメージしやすいように、特徴を整理します。

条件管理費、積立金への影響
新築〜築10年程度設備が新しいため修繕費は少なめ
築15〜30年大規模修繕が重なり負担が増えやすい
大規模(100戸超)費用を多くの戸数で割りやすい
小規模(30戸未満)一戸あたりの負担が増えやすい

築年数が進むと、外壁や設備の修繕が増えるため、修繕積立金の引き上げが起きやすいです。

戸数が少ないマンションでは、同じ工事費でも一戸あたりの負担が重くなります。

自分のマンションの築年数と戸数を前提にしたうえで、相場との違いを見ていきましょう。

管理費の値上げが相次ぐ背景

管理費の値上げが相次ぐ背景には、人件費や光熱費の上昇といった外部要因があります。


ニュースで取り上げられるおもな要因は、以下のとおりです。

背景要因内容例
人件費の上昇管理員や清掃員の人件費アップ
光熱費の上昇共用部の電気代、ポンプ電気代
保険料の見直し火災保険や地震保険の値上げ
物価全体の上昇清掃資材や点検費用の値上がり

こうした費用が重なると、管理費全体として平均で数割増えるケースも出てきます。

ただし、「世の中が上がっているから」とだけ説明する案内は不安につながりやすいです。

自分のマンションでどの費目がどれくらい増えたのか、数字で示されているかを確認していきましょう。

将来の管理や修繕積立金値上げに備えて、今からできる準備

管理費や修繕積立金は、今後も上昇傾向が続く可能性があります。

将来あわてないためには、家計と暮らしの両面で、少しずつ備えを始める意識が欠かせません。

ニュースやガイドラインから読む「これからのマンション管理費トレンド」

ニュースや国のガイドラインを見ると、マンション管理費と修繕積立金は、長期的に上昇しやすい方向にあります。

人件費や物価の上昇だけでなく、老朽化した設備の更新や、防災対策の強化も求められているためです。

今後のトレンドをざっくりつかむために、流れを整理します。

項目想定される流れ
管理費人件費・電気代の上昇で増えやすい
修繕積立金ガイドライン額へ近づく動き
設備更新・防災対策法令対応で支出増加
段階増額方式の見直し均等積立に近づける動き

全体のトレンドとしては、「今がギリギリの安さ」で、「将来に向けてならしながら上昇」という方向が読み取れます。

将来の負担増を前提にしたうえで、家計の中でどう準備するかを考えていきましょう。

家計側でできる準備

家計側で準備を進めると、管理費や修繕積立金の値上げが来ても、心の負担が軽くなります。

毎月の支出を整理し、「どこまでなら上昇を許容できるか」を先に決めておくと判断しやすいです。

見直しやすいポイントを整理します。

項目準備や見直しの例
住居関連の支出管理費上昇を見込んだ家計シミュレーション
通信、保険などプラン変更で数千円の圧縮
教育費塾代や習い事の優先順位の整理
予備費管理費、積立金専用の積立を少額ずつ

家計全体を一度整理し、「管理費と修繕積立金に毎月いくらまで回せるか」を数字で持っておくと、値上げ案が出た時に落ち着いて比較できます。

家計簿アプリなども活用しながら、じわじわ準備を進めていきましょう。

同じ悩みを持つ人の事例から学ぶ「上手な折り合いのつけ方」

同じマンション内や他のマンションでの事例を知ると、「管理費値上げとの付き合い方」のイメージがわきやすくなります。

完全に拒むのではなく、「値上げ幅を抑えつつ、無駄も削る」という折り合い方を探した例も多いです。

代表的な折り合い方のパターンを整理します。

折り合い方の例内容のイメージ
段階的な値上げで合意一度に大幅増ではなく数年で分散
無駄な支出削減とセットで合意旅行費などを削り、値上げ幅を圧縮
説明会開催で納得度を高める住民向け説明会で質問時間を確保

値上げ案を丸のみする必要はありませんが、0か100かの姿勢も負担を増やすきっかけになります。

他の事例から、「どこで折り合いをつけると家計と建物の両方を守りやすいか」をイメージし、自分なりの落としどころを持っておきましょう。

【まとめ】マンション管理費の値上げと付き合うために

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 管理費と修繕積立金の役割や相場を知り、自分のマンションの位置づけを把握する
  • 値上げの理由を「人件費・光熱費・設備更新」などに分けて、公的データや長期修繕計画と照らして確認する
  • 将来の負担増を前提に、家計の固定費見直しや予備費の積み立てで少しずつ備えを進める

今まさに値上げ通知で悩んでいる場合は、まず自宅の管理費や修繕積立金を数字で書き出し、相場と長期修繕計画をセットで見比べてみてください。

マンション管理費の値上げは不安になりやすいですが、仕組みと数字を押さえれば、感情に振り回されずに判断できます。

家計と住まいの両方を守るために、今日から少しずつ一緒に準備を進めていきましょう。

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