【9割が知らない】マンション建て替えの時期とは|流れについても解説

マンション建て替えの時期とは|寿命が長いマンションの選定方法も解説

マンションの建て替えはいつ行うべきか、そのタイミングを見極めることは所有者にとって重大な判断です。

本記事では、建て替えの最適な時期についての具体的な指標と判断基準を提供します。

マンションの経年劣化や法規制の変更、市場動向を踏まえ、いつ建て替えを決断すべきか、その悩みに応えます。

この記事を基に、あなたのマンションも適切なタイミングで建て替えを実行することで、安全かつ経済的なメリットを享受することが可能です。

今、建て替えを考えている方々にとって、この記事は決断の一助となるでしょう。

池田写真


この記事の監修者

株式会社デュアルタップコミュニティ 代表取締役社長
池田 秀人

2017年6月株式会社デュアルタップ入社、2017年10月株式会社デュアルタップコミュニティ設立(取締役就任)、2018年7月株式会社建物管理サービスの株式取得し、完全子会社へ(取締役就任)、2019年7月専務取締役に就任、2020年7月代表取締役に就任~現在に至る

所有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

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マンション建て替えの時期とは

マンション建て替えの時期とは

マンションの耐用年数は一般的に47年とされていますが、これは人間が住むことが可能な最大年数を意味するわけではありません。

マンションの耐震性、修理費用、およびその魅力などの要因を踏まえると、古い耐震基準のマンションの場合、築60年ごろに建て替えが考慮されることが多いです。

一方で、新しい耐震基準を満たすマンション、特に新築物件では、建て替えが必要になるまでの期間が大幅に延びると考えられます。

海外では100年以上経過した賃貸物件も珍しくなく、日本国内でもレトロやヴィンテージな雰囲気を活かして人気を集める物件も存在します。

マンションの建て替えは、立地や容積率の余地、メンテナンスの状態など様々な要素に基づいて検討されるため、単に築年数だけで決まるものではないことを理解することが重要です。

マンションの耐用年数

マンションの耐用年数

マンションの耐用年数は以下のとおりです。

  • 法定耐用年数
  • 物理的耐用年数
  • 経済的耐用年数

順番に解説します。

法定耐用年数

建物の法定耐用年数は、会計の観点から、その建物が減価償却費として計上できる期間を定義します。例えば、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートで構築された建物の法定耐用年数は47年と定められています。

しかし、この法定耐用年数は建物が実際に使える期間や、それが持つ経済的価値を生み出す期間とは必ずしも一致しません。法定耐用年数はあくまで会計上の基準であり、実際の建物の使用可能期間や価値には他の多くの要素が影響します。

物理的耐用年数

建築技術の進歩により、現在の鉄筋コンクリート造の建物は、物理的耐用年数が100年を超える可能性があるとされています。

物理的耐用年数とは、建物が実際に使用可能な期間のことを指します。

しかし、50年前の建築技術は今日ほど進んでいなかったため、その時代に建てられたマンションの物理的耐用年数は、おおよそ60〜70年程度と考えられることが一般的です。

経済的耐用年数

マンションは建物自体の価値に加えて土地価値も含まれるため、建物の価値が完全になくなっても、マンション全体の価値がゼロになるわけではありません。

しかし、経済的耐用年数が経過すると、マンションは主に土地価値に基づいて取引されるようになります。

マンションの経済的耐用年数は一般に40〜50年とされており、これは建物が市場価値を持つ期間を意味します。

築50年を超えるマンションでは、建物自体の価値はほとんど残っていないため、土地価値を中心に取引されることが一般的です。

経済的耐用年数が存在する主な理由は、時間が経つにつれて建物が市場のニーズや現代の仕様と合わなくなることにあります。

例えば、50年前のマンションではエレベーターがない、エアコン設置が困難、リビングが狭いなど、現代の生活スタイルに合わない点が多く見られます。

これらの要因により、建物は「住める」けれども「住みやすくない」と見なされ、経済価値を生み出すのが難しくなるのです。

物理的耐用年数は建物が物理的に使える期間を示し、経済的耐用年数はその建物が快適に住める期間を示します。

関連記事:マンション建て替えまでの4つの流れ|決まってからの流れや費用について解説

マンション建て替えの流れ

マンション建て替えの流れ

マンション建て替えの流れは以下のとおりです。

  1. マンション建て替えの準備
  2. マンション建て替えの検討
  3. マンション建て替えの計画
  4. マンション建て替えの実施

順番に解説します。

マンション建て替えの準備

理事会が主体となって勉強会を開催し、必要な工事の内容について討議を行います。

その結果をもとに総会へ提案し、その理解を得た後、マンション全体の問題として取り組んでいく流れにします。

マンション建て替えの検討

専門家を招き、マンションの建て替えに関する検討を開始します。

建て替えを推進するための決議に所有者からの十分な支持が集まった場合、プロジェクトは計画段階へと進行します。

マンション建て替えの計画

デベロッパーに依頼して建て替え計画を策定し、その計画に対して入居者の5分の4以上の賛成を得られた場合、建て替えの実施が可能となります。

マンション建て替えの実施

入居者は一時的な住居に移動し、その間にマンションの建て替え作業が行われます。

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マンション建て替えの費用

マンション建て替えの費用

マンションの建て替えに必要な自己負担金額は、一戸あたりおよそ1,000万円から2,000万円が相場とされています。

この費用には、建物の解体や新しい建築にかかるコストの他、専門家への調査費用や各種手続きに必要な経費が含まれます。

これらの経費は原則として住民が負担することになります。

マンションの規模や設備のグレードによっては、これらの費用が基本の相場を超えることもあります。

実際に一戸当たり2,000万円以上の建て替え費用が必要となるケースは、多くの住民にとって負担が大きく、実行が困難になる可能性があります。

このようなコストの詳細を理解することは、マンション建て替えの計画を立てる上で非常に重要です。

関連記事:「マンション管理費の相場」は1戸あたり毎月15,956円|主な使い道も解説

マンションの建て替えが少ない3つの理由

マンションの建て替えが少ない3つの理由

マンションの建て替えが少ない3つの理由は以下のとおりです。

  • 既存不適格マンション
  • 費用負担の額が大きい
  • 建て替えに対する賛成決議を得づらい

順番に解説します。

既存不適格マンション

建て替えが難しい要因の一つに、「既存不適格」とされるマンションが挙げられます。

これは、建設時には法令に適合していたものの、現在の法令には合致しない建物のことを指します。

例えば、現在の法令で容積率が200%に制限されている土地に、元々は300%の容積率で建てられた建物がある場合、これは既存不適格にあたります。

この状況は、当初の基準が後に変更された結果生じるもので、既存不適格マンションは違法建築とは異なります(違法建築は、現行の法令に違反して建てられた建物を指します)。

既存不適格マンションを建て替える際には、現在の法令に適合させる必要があります。

例えば、現在の容積率が200%で、元々300%を使用していた場合、建て替えでは部屋の大きさを元の3分の2に減らさなければならないことがあります。

このように既存の容積率を超えて建て替えると、違法建築になってしまいます。

資金的な負担に加えて、部屋のサイズが小さくなる可能性があるため、建て替えに賛成する人は減るかもしれません。

ただし、特定の条件下では、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律第105条第1項」に基づき、耐震性が不足している建物などに限り、現行の容積率を上回る建築が特例として認められることがあります。

費用負担の額が大きい

現実には、多くのマンションで資金不足が建て替えの障壁となっています。

これまでに集めた修繕積立金だけでは、建て替えに必要な費用を賄うには不十分なのが一般的です。

建て替えが検討されるマンションは、通常、一定の築年数を経過したものです。

そのため、そうしたマンションには高齢の所有者が多く、高額な建て替え費用の捻出が難しい場合があります。

また、高齢者の中には「自分の余生には建て替えは必要ない」と考え、資金投入に反対する人もいます。

一方で、建て替えが成功しているマンションでは、住民自身が建て替え費用を工面するケースが多いです。

これは、建て替えによって新たに生まれる分譲床を販売し、そこから得た資金で建て替えを行う方法です。

例えば、100世帯のマンションが建て替えにより150世帯に増えた場合、追加された50世帯分の住戸を販売して建て替え費用に充てることが可能です。

しかし、このように分譲床を増やせるのは、容積率に余裕のあるマンションに限られます。

すべてのマンションがこの方法を採用することはできないため、資金面での課題は依然として存在します。

建て替えに対する賛成決議を得づらい

単棟マンションの建て替えには、区分所有者及び議決権の5分の4以上の同意が不可欠です。

しかし、このような多数決の合意を得るのは非常に難しいことが多いです。

建て替えを実施する場合、所有者は建て替えが完了するまで別の住居に移る必要があり、この間の家賃や建て替えに伴う費用は所有者に大きな経済的および精神的な負担をもたらします。

対象となるのは通常、築年数が経過したマンションです。これらのマンションには、退職して年金生活をしている高齢者が多く、建て替えに関する高額な費用負担や移転の負担に対する合意を得るのが困難な場合が多いのです。

寿命が長いマンションの選定方法

寿命が長いマンションの選定方法

寿命が長いマンションの選定方法は以下のとおりです。

  • 管理状態を確認する
  • 住宅診断を実施する
  • 大規模修繕が実施されているか確認する

順番に解説します。

管理状態を確認する

中古マンションを検討する際には、その建物のメンテナンス状況を確認することが重要です。

見学時には、共用スペースの清潔さや整理整頓の程度を観察しましょう。

ゴミ置き場、自転車置き場、子供用の遊び場などが適切に管理されているか確認することで、マンション全体の管理体制の良し悪しを判断できます。

また、敷地内の植栽や緑化の状態からも、日々の管理がどのように行われているかのヒントが得られます。

住宅診断を実施する

中古マンションを買う際には、専門家による住宅診断(ホームインスペクション)を利用すると良いでしょう。

この診断により、専門家が建物の現状を詳細に調査し、目で見られない箇所の状態も明らかにします。

これにより、購入の意思決定が容易になります。

この診断では、天井裏の状態や共用部分の保守管理状況など、物件購入やリノベーションに関して知っておくべき重要な情報が提供されます。

中古物件の住宅診断には約5万円の費用がかかることが一般的ですが、数千万円の投資を行う中古マンション購入の際には、この診断を通じて長寿命な物件を選ぶことで、安心感が得られます。

大規模修繕が実施されているか確認する

中古マンションを選ぶ際には、大規模な修繕工事が適切に行われているかを確認することが大切です。

大規模修繕は、約10年から15年ごとにマンションに必要とされる、外壁の塗装や防水工事などを含む重要なメンテナンス作業です。

このような修繕工事の主な目的は、マンションの劣化部分を修復し、その資産価値を保持または向上させることにあります。

定期的な補修作業によってマンションの機能性を維持し、その耐久性を伸ばせます。

適切に大規模修繕を施されたマンションでは、住み心地が良く、将来的にも設備の機能性が向上する可能性があります。

したがって、中古マンションを購入する際には、しっかりと計画され、実施されている大規模修繕のある物件を選ぶことが推奨されます。

マンション建て替えの立ち退き料はもらえるのか

マンション建て替えの立ち退き料はもらえるのか

分譲マンションが建て替えにより立ち退く際、通常は立ち退き料は支払われません。

このプロセスは、マンションの管理組合によって決定され、建て替えに同意しない場合でも、組合は区分所有法に基づく売渡請求権を行使できます。

これは、建て替えに反対する住民に対して、その持分を売却するよう要求する権利です。

立ち退きが決まると、所有者は自身の持分を市場価格で売却し、その売却収入とこれまでの修繕積立金の返金を受け取ります。

これらの資金は、新しい住居への移転費用やその他の関連費用に使用できます。

中古マンションのメリット

中古マンションのメリット

中古マンションのメリットは以下のとおりです。

  • 価格が安い
  • 資産価値を維持しやすい
  • 選択肢が多い

順番に解説します。

価格が安い

中古マンション購入の大きな魅力は、プレミアムな立地や人気の間取りであっても、新築マンションと比較して低価格で手に入れることができる点です。

興味深いことに、新築マンションは購入時点でその価値が20%減少するとされています。

この現象の背後には、新築物件に通常200万円から600万円の新築プレミア価格が設定されていることがあります。

一方で、中古マンションは新築時のプレミア価格がかからないため、購入費用を抑えつつ、節約した資金をリフォームやリノベーションに活用することが可能です。

特に新築物件へのこだわりがない場合、コストパフォーマンスを重視する方には中古マンションがおすすめです。

資産価値を維持しやすい

中古マンションが持つ主要な利点の一つは、一般的に築25年を経過する頃に価格が安定し、購入と売却の際の価格差が小さくなることです。

これにより、資産価値の維持が容易になります。

さらに、実績ある大手の建築会社によって建てられた鉄筋コンクリート(RC)造のマンションは、構造が堅牢であるため、比較的低価格で購入しても長期にわたって快適に暮らすことができる見込みがあります。

特に、信頼できる管理会社が適切に管理している物件は、物件の状態が良好であることが多く、そのため資産価値が下がりにくいと言えます。

将来的に売却を考えていない場合でも、予期せぬ事情で急に売却する必要が生じることもあり得るため、資産価値を維持しやすい中古マンションは非常におすすめです。

選択肢が多い

中古マンションの購入には多くの選択肢があり、希望する地域、間取り、築年数、価格帯などに基づいて幅広い比較が可能です。

これが中古マンションの大きな利点の一つです。

対照的に、戸建て住宅の選択肢は限られており、相場価格が不明確になることがしばしばあります。

この点、中古マンション市場では多数の物件が集中しており、様々な選択肢から自分に合った物件を選びやすくなっています。

この豊富な選択肢により、購入前の徹底した比較と検討が可能となり、理想的な住まい選びをサポートします。

中古マンションのデメリット

中古マンションのデメリット

中古マンションのデメリットは以下のとおりです。

  • 修繕積立金が高くなりやすい
  • 建物や設備が老朽化している可能性がある

順番に解説します。

修繕積立金が高くなりやすい

通常、建物の築年数が経過するにつれて修繕積立金は増加する傾向にあります。

そのため、マンションを購入する際には、管理組合に連絡して現在の修繕積立金の残高、将来の積立額の見込み、そして大規模修繕が発生した場合の一時金の必要性について確認することが重要です。

建物や設備が老朽化している可能性がある

建築物は時間が経つにつれて自然と劣化するため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

中古マンションを検討する際には、過去に行われた大規模修繕の記録や今後の修繕計画、修繕積立金の残高を確認することが推奨されます。

さらに、長期修繕計画書を入手して内容を精査することで、より安心して購入を進めることができます。

まとめ【寿命が長いマンションを見極めましょう】

今回は、マンション建て替えの時期と併せて、マンションの耐用年数、寿命が長いマンションの選定方法を解説しました。

寿命が長いマンションの選定方法は以下のとおりです。

  • 管理状態を確認する
  • 住宅診断を実施する
  • 大規模修繕が実施されているか確認する

「マンション管理会社変更したいけど、やり方がわかんない……」

「今のマンション管理会社に不満がある……」

こういった悩みはありませんか?大切なことなので慎重になり、なかなか自分では動けませんよね。

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